注ぎ枝垂れる筆しらべ。

二輪車で田舎の道を走っていると思わぬ風景に車体を止めることがたまたまあります。この風景もそういった出来事の一つ。

味気なく常に深緑を包含する植林を背景に見事に咲き誇る枝垂桜。遠くから見るとポッと雨水を垂らしたように華やいでいるのが見えてつい写真を撮ってみたいと思ってしまったのです。

猪除けの柵を開錠して神社の敷地の中へ。御頭の上に見事に降り注いでいます。神様が意図的に咲かせたようななんとも幻想的な風景です。

鳥居から眼下を覗くと集落が一望できます。神社をお祀りするには最適な場所ではないでしょうか。きっとそういった安寧や見守られる平安を求めたのだろうと思いました。

名所と言われる大木や観光に最適な並木でなくても心揺るがす桜の風景は日本中のどこにでも存在するのです。いい桜を見せてもらいましたとお礼を述べて、次の街へと北上しました。