廃墟

鈍き黒鉄無色の白煙。

雪降る日。たしかどこかの神社の参拝のついでだった気がします。知らない街に来て、次の電車の時間まで暇だったので辺りをぐるっと回ってみようかという思いで歩き出した時のことでした。そこそこ積もった雪の中、思うように進まないキャリーバッグを引きず…

石の意思と空廃墟。

さくさくと冬枯れの落ち葉を雪を漕ぐように歩く。道なき道の斜面には乾いた木の葉で覆われ、登るときは靴に絡みつき、下るときにはソールを滑らせてきます。どうしてそんなとこを歩くことになったのか、写真を撮っていたのにもかかわらずあまり覚えておりま…

廃校の褪せゆく二色にもう一色。

あれほど元気だった植物たちが段々と色彩と体積を減らし、葉を落としていく秋。そんな草木を纏うちょっとした小高い丘の上に小さな小さな廃校があります。 それなりに広い校庭と年季を思わせる壁面の板と、整然と並んだ窓ガラス。昭和の時代を生きた校舎とい…

征く人咲く花、枯れ廃村。

舗装されているのだかされていないのだかよくわからない道を延々数キロ。住む人のいなくなった廃村を訪れていました。集落のしょっぱなから崩れかけた廃屋が建っていてここが廃村であるということを思い知らされます。 手入れをほどこせば修繕をすればまだま…

傾く日差しと鉄の箱。

一口に廃れるモノといっても種類は様々で、廃墟、廃屋、廃校、廃醫院…かつての用途において細分化が為されているようです。その分類に則るならば廃線というものは私の最も好きな「廃」の一つであります。 山の上につながるケーブルカーが使われなくなった今…

朽ちてなお見らるる廃醫院。

棚の奥にしまわれた新品の手帳がカビていく様より使い込まれ、革が鞣された手帳の方が味があるのと同様に、ただの廃屋よりも何かしらの仕事をしていた廃墟の方が魅力的であります。 ここはかつての産婦人科医院。今は朽ちて荒らされるに任せ、崩壊の一途を辿…

燃える石は鉄路と政策に揺られて。

木々が広がる森の中、忘れられたように廃駅跡が残っています。ここはかつて森林資源や石炭を運びたすために建設された路線の開業当初の終着駅でした。 入口はこのあぜ道。 その六角形の看板はこの道が立派な都道府県道であることを示しています。 どう見ても…

月草のうつろふ家屋と軒の下。

海が見える廃道に今にもつぶれそうな廃屋がありました。季節は初夏。辺りは緑が生き生きとしだし、使われていないアスファルトや屋根を覆おうとする時期です。昔は伝染病の隔離病棟であったこの施設も正に今自然に還ろうとしています。 病棟の周りをちょっと…

黄色い花の咲く廃村。

夏真っ盛り。県道から一本入った道のそのまたさらに奥。清流の流れる土地に小さな廃村がありました。黄色い雑草らしきがあちこちに咲いています。 集落の入り口に入るとまず元は赤かったであろう建物がお出迎え。その色からして郵便局か消防施設だったのでし…

ゆるり散策廃キャンプ△。

昨今のコンテンツにより一人で、ゆるりと楽しむキャンプが流行りを見せる中、人知れず廃れていくキャンプ場もあります。 川沿いにバンガローが並び、いかにもキャンプ場、といった風の建物のの並びは昔の話。このキャンプ場に存在したほとんどの建物が劣化と…

朽ちる廃校と寂れる栄光。

舗装されたアスファルトがぼこぼこになっているくらいには山奥の半廃集落。 木造の廃校の体育館らしき建物がぽつんと残っています。 その風貌や周りの地域の過疎具合を見れば最後に使われてから長らく経っていることは明白。それでも解体されることなく土手…