黄色い花の咲く廃村。

 

 

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夏真っ盛り。県道から一本入った道のそのまたさらに奥。清流の流れる土地に小さな廃村がありました。黄色い雑草らしきがあちこちに咲いています。

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集落の入り口に入るとまず元は赤かったであろう建物がお出迎え。その色からして郵便局か消防施設だったのでしょうか。折れ戸だから車庫だったのかも。

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もう文字は見えなくなってしまっています。

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この村には一本しか道が通っていない。

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公民館。ちょっと手入れされているあたり、この廃村を保存しようとしている人たちがいるみたいです。

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そしてこの集落の真ん中には生徒がいなくなった今もなお雄大に建つ廃校がありました。歴史を感じる古い壁。気分を高揚させながら辺りを一周してみます。

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手前の体育館の入り口。古さは感じれども朽ち果てているわけではないようです。

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体育館裏手。整然と並んだ木枠の窓が非常に良い。とても良い。

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教室側。桜と松が大きく育っています。こういった人の作ったものの盛衰と相反するような植物の生長をみると彼らが眺めてきた人間の歴史を考えてしまって、なんとも言えない気分になるのです。

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昇降口。

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校舎の手前には碑が立っていました。集落があったことを示す碑、分校があったことを示す碑、そして離村の心情を綴った唄がかかれた碑。

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歳月流れ去り霊魂里帰り

昔人学びし庭に其の名残す

変わり見る里この碑を仰ぐ

喜びもあれど寂しさ無限

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昭和の終わりごろに村全体で離村した集落ですが調べてみると近年住み方の多様性からか、また新たに手入れをしたり住み始めたりする動きがあるようです。公民館の隣の家屋にも軽自動車が一台止まっていました。

少子高齢化が進み都市に人口が集中していく時代に古いものを残していく。顔も知らないけれどそんな人たちの活動にしみじみです。

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帰り際になってあの黄色い花はキクイモだったなとやっとのことで思い出していました。たしか北米原産の帰化植物。村に帰化する人間をどう眺めているのか聞いてみたいものです。