2022-01-01から1年間の記事一覧

植物学の父の思いは山の頂点に。

例えば貴方にとって日本一の飲食店はどこですか?と聞かれたら返答に困ることでしょう。そもそも何をもってして日本一なのか。味なのか値段なのか雰囲気なのか。それでも日本一を決めてくださいと言われたら悩んだ末にどこかの店を挙げることでしょう。学生…

忘れがたきウミガメの味。

知らない街の知らない道。たまたま通りかかったそんな風景を歩きます。 たまたま、とはいうもののなんだか歴史のありそうな古い町並みが見えたから、というのが本音です。 明らかに現代の家屋の造りとは異なる家々が並んでいます。きっと昔は何かの産業で栄…

北の軸のその果てに。

北の国の商店街。普段住んでいる場所から見れば、北の果てとも言える土地の、何の変哲もない普通の通りを歩きます。霧のような雨が降っていてカメラのレンズが濡れると思いつつもその雰囲気を楽しみつつ、先に進みます。 車で通ったとしてもどこにでもあるア…

ヒールを脱いで深夜登山。

ひっそりと静まり返った石畳と通り。ここは東京でも随一の登山観光地として名をはせています。 休日の昼間ともなれば登山者数日本一のハイキングコースとして有名なこの場所は老若男女の人でごった返します。 しかし夜中ともなれば街灯が煩く光るばかりで人…

燃える石は鉄路と政策に揺られて。

木々が広がる森の中、忘れられたように廃駅跡が残っています。ここはかつて森林資源や石炭を運びたすために建設された路線の開業当初の終着駅でした。 入口はこのあぜ道。 その六角形の看板はこの道が立派な都道府県道であることを示しています。 どう見ても…

科学世紀のカフェテラスの制作物。

この度は2022年9月11日に京都パルスプラザで開催される科学世紀のカフェテラスにて二冊の本を頒布させていただいております。 【女13】【イツトモエ廃温室】 秘封の二人が散歩以上旅未満の活動をしながら綴る、随筆風イラスト写真集となる予定です。道端の何…

ワニとソテツと温室と。

コウモリが鳥類と哺乳類の中間だといわれるように、動物園と植物園の中間のような施設がここにあります。(地名)+(名物の植物)+(名物の動物)で構成されたその施設の名前は自分がコウモリであることを自覚しているかのようです。 入園しょっぱなからワ…

月草のうつろふ家屋と軒の下。

海が見える廃道に今にもつぶれそうな廃屋がありました。季節は初夏。辺りは緑が生き生きとしだし、使われていないアスファルトや屋根を覆おうとする時期です。昔は伝染病の隔離病棟であったこの施設も正に今自然に還ろうとしています。 病棟の周りをちょっと…

その神木、巨躯とて寡黙である。

とある集落の奥の坂を上った先の神社。静謐という言葉がぴったりの鳥居を構える社殿が見えてきます。 長い長い石階段。昨夜は雨が降ったせいか辺りが高い湿度に覆われ、足元も湿っています。 こういう森や山の中の神社を参拝するには雨後が最もいいと思って…

シーサイドは安気海つ路の雲を見るか?

青いシニヨン少女さながらの二輪車旅。寄りたいところがあるんだよね、と言う先輩が運転する車についていったらこんな街に連れていかれました。 通りにせり出す民宿の看板が宿場町っぽい雰囲気を醸しています。でもここは宿場町というよりかは温泉街。街に着…

邪な宗教は隠れた路地にて。

東京のとある駅前の短いアーケードの中。その喫茶店は静かに佇んでいました。 其の名も邪宗門。敵対している宗教に対して名付けられる名称ですがなぜ喫茶店の名前に付けられているのやら。 入店した時から扉の外と内で明らかに異なる雰囲気が漂っているのを…

ままならぬ外野が曲屋に赴くデザイア。

東北と北関東の間に位置する後沢集落。ここには日本が忘れかけた原風景そのものが残されています。訪問時は冬の始まりで、雪がチラホラ降り始めてきていました。 集落と地域の主道路を繋ぐ唯一の橋を渡った瞬間から寒々しい雰囲気。たった一人で道端を往く住…

科学世紀のカフェテラスの制作物。

この度は2022年1日10日に京都パルスプラザで開催される科学世紀のカフェテラスにて二冊の本を頒布させていただいております。 【倶20】 【イツトモエ廃温室】 「忘却卯東京」16ページ ¥500 「退廃酉京都」16ページ ¥500 中身は卯東京と酉京都を想起した活…

平たい顔族の愛する旅館は意匠深く。

某県某市、山奥の高原のそのまた奥にこんこんと温泉の湧く旅館があります。 12月も中旬で途中の道路は一部凍結していました。ノーマルタイヤじゃとてもじゃないけど危なくて行けません。駐車場から旅館までの約400メートルの歩道もカチコチです。 この旅館の…