平たい顔族の愛する旅館は意匠深く。

某県某市、山奥の高原のそのまた奥にこんこんと温泉の湧く旅館があります。 12月も中旬で途中の道路は一部凍結していました。ノーマルタイヤじゃとてもじゃないけど危なくて行けません。駐車場から旅館までの約400メートルの歩道もカチコチです。 この旅館の…

故きを温ねて新世界を知る。

いつものように知らない街を散歩していた時のことです。なんともそそる看板を掲げている飲み屋通りを見つけました。 モダンなデザインの割には奥へ進む道はなんだか怪しげな感じ。誘われたら断らないのが私の信条であります。 繁茂する植物、そういうアート…

無人にて放れば廃る清水哉。

ここは山奥のお寺。国道に案内標識はあれど離島ゆえのアクセスの悪さからか観光客などあまり見当たりません。静謐なる苔むした階段を上っていきます。 大迫力の杉の参道。長野の戸隠神社にどこか似ています。見上げれば齢100が精々の人間がいかにちっぽけか…

寂れたアーケード街を征く。

東京のはずれ。駅を降りた先で偶然よさげな商店街を見つけてふらついていた時のお話です。 入口とその長さだけは立派なアーケード街。ひとたび中に入ればよそ者の自分にさえわかる寂れっぷりです。 時代の流れによるものでしょうか、それとも昨今の感染症の…

黄色い花の咲く廃村。

夏真っ盛り。県道から一本入った道のそのまたさらに奥。清流の流れる土地に小さな廃村がありました。黄色い雑草らしきがあちこちに咲いています。 集落の入り口に入るとまず元は赤かったであろう建物がお出迎え。その色からして郵便局か消防施設だったのでし…

鵜の目鷹の目、山路の目。

某県、椿野市。山の中のうねうね道を進んでいると妙に視線を感じます。その正体は山から除く巨大な目玉でありました。 知らない人が見たら誰かの悪戯か、何かの見間違いか、もしかしたらデイダラボッチなどの妖怪に見えるかも。山道の木々の間からちらちらと…

時代の波は呑んべぇのレムリアに寄せて。

東京某区。下町の情緒あふれる駅前にて何とも雰囲気の良さげな路地が広がっています。ふらりと立ち寄ればそこは昭和の世界。 頼りなさげな木材に支えられて古臭い看板が堂々と掲げられています。 外の通りや他の店とは一線を画すような重厚な扉が並んでいま…

濡れた夕暮れ温泉街道を征く。

某県の山中にある温泉地。雨に濡れた寂し気な空気に誘われ、ふらりと立ち寄ったのでした。 放棄された温泉施設や、明らかに手の入っていない空き家がズラリ。集落入口付近の建物からしてあまり活気のある場所ではなさそう。あたりにしめやかな雰囲気が漂いま…

注ぎ枝垂れる筆しらべ。

二輪車で田舎の道を走っていると思わぬ風景に車体を止めることがたまたまあります。この風景もそういった出来事の一つ。 味気なく常に深緑を包含する植林を背景に見事に咲き誇る枝垂桜。遠くから見るとポッと雨水を垂らしたように華やいでいるのが見えてつい…

ゆるり散策廃キャンプ△。

昨今のコンテンツにより一人で、ゆるりと楽しむキャンプが流行りを見せる中、人知れず廃れていくキャンプ場もあります。 川沿いにバンガローが並び、いかにもキャンプ場、といった風の建物のの並びは昔の話。このキャンプ場に存在したほとんどの建物が劣化と…

朽ちる廃校と寂れる栄光。

舗装されたアスファルトがぼこぼこになっているくらいには山奥の半廃集落。 木造の廃校の体育館らしき建物がぽつんと残っています。 その風貌や周りの地域の過疎具合を見れば最後に使われてから長らく経っていることは明白。それでも解体されることなく土手…

明治101年の原生メトロポリス。

東京のど真ん中に鎮座する巨大な森。その敷地は大正時代から続く神社であります。 お正月になると毎年訪れてお世話になっている場所です。今年は流行り病の所為か、いつもとだいぶ様子や雰囲気が異なります。毎年参拝客でごった返す参道も封鎖されて人っ子一…

信仰は儚き人間の為に。

残暑厳しい九月初旬。ある廃墟に行った帰り、いつものようにきょろきょろしながら山道を走っていた時のことでした。遠くに雰囲気のある鳥居が見えました。 こんな赤抜けた神社は見逃しはしません。その名も白川豚冠神社。 参道が林に吸い込まれていて何やら…

あいち幻想入り展レポート。

令和2年12月11日~13日に名古屋市の市民ギャラリー矢田で開催されたあいち幻想入り展に出展させていただきましたレポート。幻想入り展は今回で二回目の参加でございます。 幻想入り展は東方projectの世界観を表現した写真を展示しようという展覧会。小説やイ…

この街角の片隅に。

高円寺のギャラリーで路上園芸学会さんの写真展があったので行ってみました。 某輸入雑貨業者じゃないですけれどあんまりギャラリーというのは居心地がいいものじゃないけどなぁなんて思いながら。 路上園芸学会とは街角の園芸活動や植物を見守って観察・撮…

木造エメラルド局便郵。

山奥の郵便局。近代建築らしい緑色の木造で湿度の高い木々に囲まれて建っています。 休日だからシャッターは閉まっていてもあくまで現役。規模から言って訪れる人は多くはないでしょうがそれでもこの地域に欠かせない施設であることは違いありません。 この…

パワフルバーガー大波級。

今日はなんだかハンバーガーが食べたい気分。そんな日が一か月に一度くらいはあります。たいていは大手チェーン店のピエロか苔か王様に絞られるけれどどれも食べてみて毎回思うのです、なんかちょっとちがうなぁ、と。 ここは軍港横須賀のとある飲食店。店内…

オンボロレトロシューターズ。

相漠湖の湖畔の公園の片隅に光らぬネオン看板を掲げているゲームセンター。 ゲームセンターといっても都会の騒音と閃光まき散らす電子遊技場とは全く違う、昭和の香りが漂うかのような機体ばかりがそろっています。 今はもう温泉街などにしか残っていないの…

彩の国の褪めた鉱泉。

彩玉県の山奥にひっそりと佇む鉱泉に行きました。鉱泉の名は「千鹿谷鉱泉」。 聞けばほどなく閉業してしまうとのこと。こういう古い温泉旅館は大好きなので何とか閉まってしまう前に行きたかったのです。 訪問した日は八月下旬。カンカン照りの日差しの中、…

葉を想う華は夢を見る。

ここは巾脱田。曼珠沙華が有名な場所。お彼岸の季節には一面に赤い華が咲き誇ります。 葉っぱは無く、地面からニョキっと伸びて妖艶な花弁をつけるその華の赤さは見た者を何とも引き付ける魅力を持っています。 寸分違わずお彼岸の季節にきっちり咲くという…

ふらり路地裏誘因灯。

この町で飲み屋を探すに苦労はしません。大通りを一本入ればあちらこちらに飲み屋居酒屋。次々とサラリーマンが吸い込まれてゆくのです。 時代を感じるフォントの看板もまだまだ現役。左側が暗いのはどうしてでしょう? 入りにくさMAXスナック。あと何歳年を…

すげ笠の画家。

どうして画家のかぶる帽子はベレー帽なのでしょう。 別に野球帽でも麦わら帽子でもいいと思うのです。画家や漫画家にはベレー帽である理由があるのでしょう。 埼王の山奥で絵を描いていたおじいさんはすげ笠。日の照る暑い日だったからとっても実用的。 橋の…

イツトモエ廃温室・試作版 丙

イツトモエ廃温室です。私が訪れた廃墟神社施設路地裏、おいしかった食べ物や綺麗だった植物のことなどなど。ツイッターで乗り切らない写真や伝えきれない文章を載せていきます。